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お笑いライブ(東京)で優勝し続けたここだけの戦略を公開

お笑いライブ(東京)で優勝し続けたここだけの戦略を公開

元お笑い芸人、現Webディレクターの仕事をしている、なついです。

私は元お笑い芸人としてこれまで舞台やラジオ、テレビ番組の出演など様々な仕事に関わってきました。

現在は、12年間の芸人生活に終止符を打ちコンサルティングや企業講演の仕事などをメインにしています。

なつい

ここであなたに質問

あなたには『絶対に勝ちたいと思う大一番の勝負』がありますか?

『絶対に負けられない戦い』を挑むとき、あなたはどのような勝負をかけますか?

私のまわりには「これまでの自分を信じていれば大丈夫」「自分は絶対に負けない」と、大事な戦いを前に、精神論を唱える人が少なくありません

もちろん「絶対に勝つ」という強い精神は勝利を掴むために大切なのかもしれません。

とくにスポーツや試験などの学業においては、練習や勉強といった努力と併せて、これまでの自分を信じる心が必要と言えるでしょう。

しかし、この記事でお題となっている「お笑いライブで優勝をすること=勝利」だとすれば、精神論は運任せでしかないと思います。(※個人的な意見です)

私は過去に、どうしても負けたくない戦いへ「精神論」で挑んだ経験が何度かあります。

ですが、結果は全敗

『あれだけ強い気持ちで挑んだのにダメだったか…』と、悲しい気持ちで立ち直るまでにかなりの時間を要しました。

こちらの記事では、勝負事で負けたくないと思うあなたへ、過去に私が実践をして結果を出してきた戦略(戦術)を公開します。

記事内容の軸が「お笑いライブ(東京)で優勝し続けた」であるため、芸人以外の方には共感しづらいと感じるかもしれません。

そんなときには、『仕事で負けられない場面』などをイメージしてみてください。

私の経験が、何か少しだけでも負けたくないと思うあなたのヒントになれば嬉しいです。

〜はじめに〜
  • 「お笑いライブで優勝し続けたお前は誰だよ?」
  • 「お笑いライブに優勝し続けたけど売れてないの?」
とツッコミたい方もいると思いますので、先に言わせてください。

『お笑いライブで優勝を続ける=芸人として売れる』

ではありません。

事実、私は自分が思い描いたように芸人として売れることができませんでした。

ですが、これから紹介をする戦略によって『絶対に勝ちたい』と思う場面で勝ち続けることができました

ライブ投票で優勝し続けた秘密は徹底された『組織票』にあり!

先に優勝し続けた秘密の答えをお伝えします。

私が芸人時代、お客さん投票のライブで優勝し続けることができた理由は、『組織票』で徹底的に固めていたからです。

組織票と聞くと、政治家のイメージが強いでしょうか?

なつい

組織票と聞くと、政治家のイメージが強いでしょうか?

具体的な話に入る前にwikipediaへ記載されている内容で、『組織票』について確認してみましょう。

組織票(そしきひょう)とは、投票の際に各種団体などの組織がもととなって特定の候補や政党に投票する票のこと。

引用:wikipedia(ウィキペディア)

wikipediaでは真っ先に政治分野といった言葉が出ていますが、組織票はお笑いライブでも行われています。

組織票は勝率を高めるもっとも有効的な戦略

絶対に負けたくない戦いを挑む場で『投票数(多数決)により勝敗が決まる場合』は、組織票で勝負をかけることを勧めます。

なつい

私が過去に実践をした組織票の作り方については、下記で詳しくお伝えしますね。

組織票を使ってでもお笑いライブで優勝したかった理由

勝負で「絶対に勝ちたい」「負けたくない」という理由は人それぞれです。

もちろん私にも、「お笑いライブで優勝したい」理由がありました。

理由をさらけ出すことに少し抵抗がありますが、思い切って書かせていただきます。

事務所が主催するお笑いライブで優勝するとチャンスを与えてくれるから

事務所が主催するお笑いライブでは、ピラミッド形式のシステムを採用していることがほとんどです。

例えば自分が所属する事務所主催のライブで、金・銀・銅と名付けられランク分けがされていたとしましょう。

MEMO
■ランク順;金 > 銀 > 銅

多くの事務所は、1番ランクが高いライブに出ている所属芸人へ、優先して仕事やオーディションのチャンスを振っています

そのため所属芸人は、事務所からチャンスを振ってもらうために1番ランク付けが高いライブ出演を目指すのです。

さらに、事務所が振れる仕事やオーディションの数は限りがあるため、チャンスを掴むためには、『ライブで優勝すること』が必須となってきます。

私は、芸人として売れるためのチャンスを掴むために、組織票を使ってでもお笑いライブで優勝する必要がありました。

※出演ライブのランクわけについて

ピラミッド形式のライブでは、お客さまによる投票結果で、次回以降に出演するライブのランクが確定します。

事務所によって異なりますが、多くの場合は上位○組と下位○組がランクの入れ替えとなります。

例:
・“金ライブ下位3組”と”銀ライブ上位3組”が入れ替え
・”銀ライブ下位3組”と”銅ライブ上位3組”が入れ替え

優勝するとインディーズライブでゲスト扱いをしてくれるから

音楽業界で「メジャーライブ」「インディーズライブ」という言葉があるように、お笑い業界でも「メジャーライブ」と「インディーズライブ」という言葉があります。

なつい

芸人を含め、お客さまの間で使われています。

お笑い業界で言うと、メジャーライブは大手事務所(吉本興業やワタナベエンターテインメントなど)が主催をしているライブ。

インディーズライブは、売れていない芸人の自己主催や一般の方が主催・開催をしているライブをさします。

インディーズライブに出演する多くの場合は、ノルマ(出演するための費用)を払う必要がありますが、ライブで優勝回数を重ねると主催者からゲスト扱いをされるため、出演費を払う必要がなくなるのです。

さらに、ライブの仕切り役であるMC(司会)を任される機会が増えるため、自分の腕を実践で磨けるチャンスとなります。

自分の芸を磨く場を増やすために、組織票を使ってでもライブで優勝をしたいという気持ちがありました。

ライブ会場へ視察にきている番組関係者へのアピールになるから

私が芸人活動をしていた2004年〜2008年頃は、テレビのネタ番組が多かったこともあり、事務所ライブはもちろん、インディーズライブの会場にも番組関係者が足を運び視察カメラを回していました。

なつい

番組関係者はライブ会場で、ネタ番組で使えそうな芸人を探しているわけです。

番組オーディションの場で自分たちのネタを見せてアピールをすることはできますが、会場で爆笑させる姿、司会でうまく仕切っている姿、お客さま投票で優勝をする場面を見せる方が、オーディションの場より関係者へ与えるインパクトが大きいと言えます。

MEMO
番組関係者がライブ会場へ足を運ぶ日は、基本的にシークレット。そのため、常にライブで優勝をする必要がありました。

実践した『組織票の作り方』4パターン

ここまでの内容が、組織票を使ってでもお笑いライブで優勝したかった気持ちについてでした。

そしてここからが、組織票をどのように作るかです。私が組織票作りで実践していた4パターンをお伝えしますね。

1. 芸人仲間に頼んでライブ会場へ来てもらう

組織票の作り方でもっとも手軽なのがこの方法。

「今度○月○日に投票してほしいライブがあるから来て!」と芸人仲間にお願いをします。

お願いをするとほとんどの場合、「ライブへ行って投票するから、自分が出るライブにも来てくれ」と交換条件を出されるでしょう。

芸人仲間に頼って組織票を作るメリットとデメリットは下記です。

メリット
・確実に票数を稼げる
・組織票のお願いをしやすい
・何組かに投票をする権利があるライブの場合、「投票するのは自分と、○○(優勝しなさそうな人)にして」と細かい部分までお願いできる
デメリット
・芸人はお客さまのように会場で笑わないため、芸人仲間を呼びすぎてしまうと会場内の空気が変わる(他のお客さまが笑いづらくなる)
・自分も交換条件として組織票へ行かなければいけないため、めんどくさい
・チケット代金を芸人仲間からもらいづらいため、自腹を切る

私の場合は組織票付き合いがめんどくさいと感じ、このパターンでの組織票作りをあまりしませんでした。

2. ライブのチケットを買い占める

開催されるライブの前売りチケットを買い占める方法です。前売りチケットはチケットぴあであったり、所属事務所がライブの主催である場合には、マネージャーから直接買います。

メリット
・自分以外の出演者が組織票を作れないようにできる
・マネージャーからチケットを買うと、集客力(動員力)があるとアピールになる
デメリット
・買い占めたチケットを売り切ることができなければ赤字
・担当マネージャーによっては「組織票だ」とオーディションを振ってくれなくなる

ある程度の集客力があれば、このパターンがおすすめです。

他のライブ出演者の組織票作りを防げる点が何より大きなメリットで、優勝をする確率をより確実なものへと繋げます

デメリットに記載した「オーディションを振ってくれなくなる」とありますが、振ってくれなくても問題ありません。理由は、ライブで優勝をしていると番組関係者の方から名指しでオーディションの声をかけてくれるためです。

3. ノルマチケットが売れていない芸人から買い取る

ライブによっては前売りチケットの取り扱いがなかったり、ノルマ分のチケット枚数しか手に入らなかったりなんてことがあります。

そんな場合には、ノルマ分のチケットすら売ることができない芸人へ声をかけ「自分がそのチケットを売るから」と無料でチケットを手に入れます。

出演芸人へ渡されるノルマチケットは番号が振られて管理をされていたため、チケットが売れない芸人は「自分たちのチケットを売ってくれて助かった」と喜んで譲ってくれていましたね。

なつい

無料で手に入れたチケットは、自分のファンに買ってもらい組織票にもお金にも変えていました。
メリット
・無料でチケットが手に入る
・チケットの管理番号が自分のものではないため、事務所や主催者に組織票であることがバレにくい
デメリット
・とくになし

なつい

私が組織票を作るとき、よく実践していたパターンです。

4. ファンに「○月○日のライブに来てね」と指定する

月に出演するライブが多ければ多いほど、ファンが足を運ぶライブ先はバラけてしまいます。

これはファン1人1人の都合や、どのライブを見に行きたいかといった気持ちが違うからです。

少し強引な手法ですが、「○月○日にある××ライブに来てほしい」「投票制のライブで重要なんだ」とお願いをして、どのファンがどのライブに来てくれたかを管理しながら、ライブで優勝をするために必要な人数を集めます。

メリット
・ファンであるため、笑い声が会場で起きる+組織票・集客力(動員力)がある出演者としてライブ主催者や事務所の関係者から評価が上がりやすい
デメリット
・「絶対に投票をしてね」と強く言いづらい
・「●●には投票しないで」など細かい部分までお願いしづらい
・誰にどのライブのチケットを売ったか、過去に見せたネタは何だったかなどの管理をするのが大変

なつい

私がお笑い活動で組織票作りをしていたとき、最も活用していたパターンです。

ある程度の集客力が必要となりますが、組織票を集めることができ、ライブ会場で笑い声を起こしやすく、ライブ主催者からの評価を高められるこの方法はかなり番おすすめです。

『組織票を批判』する芸人・スタッフが多かった!

ここまで紹介をしてきた組織票。あなたは組織票で勝負をする人間を見てどのように思いましたか?

芸人活動をしていたときには、組織票を作れることを凄いと評価をしてくれる人がいれば、「組織票がなければ勝てない実力なし人間」と批判をされたことも多々ありました。

組織票を使って勝負をかける場合は、誰かに批判をされることもあると心しておきましょう。

なつい

組織票を作れるのも実力!まわりから批判をされても気にしない。

『組織票』は勝負に勝つためにかなり有効な戦略である

組織票を作ることができれば、グッと勝率を高めることが可能です。

ここでは芸人時代の経験として、お笑いライブで書きましたが、ビジネスなどのシーンなどにも置き換えることができます

例えば、厳しいノルマがある営業マンの方であったり、保険の契約をどれだけ取れるかを競い合わなければいけない方など。

保険の契約でよく聞く話では、身内同士で保険に加入をしあってノルマを達成する。私の母親も保険会社で働いていたとき、多くの友人に保険加入をしてもらい売上トップになっていたことがありました。

あくまで一例ですが、組織票はビジネスシーンにも通用する場面が多々ありますよ。

今回の内容が、ほんの少しでも勝負で勝ちたいと思うあなたのヒントになれれば嬉しいです。