元お笑い芸人、現Webディレクターの仕事をしている、なつい( @kurikei710 )です。
今回は、私が芸人活動を始めた2002年から、長年コンビを組んで活動を共にした元相方に、芸人時代の話をあれこれ聞いてきました。
元相方とは、コンビ解散後も、ビジネスパートナーとして過ごす時間が長い間柄。
なつい
付き合いが長いことから、元相方のことは何でも知り尽くしていると思っていましたが、私が知っていたのは表面上の部分だけであったことがインタビューを通じてわかりました。
他のメディアでは、いっさい語られていない内容をたくさん聞き出してきたので、ぜひご覧ください。
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元相方はこんな人物
なつい
![元相方はこんな人物](/wp-content/uploads/2018/01/partner-person-603x452.jpg)
出身地 | 大阪府 |
最終学歴 | 京都大学経済学部経営学科卒業 |
信念 | 生涯ノーネクタイ、金髪 |
芸人時代の担当 | ボケ担当 |
現在の仕事 | 代表取締役、放送作家、投資サークルの顧問 |
最近の悩み | 街で「カズレーザー?」と声をかけられること |
佐竹 祥史 |
「お笑いキャリア1ヶ月でライブ動員数200人を達成させた戦略」の記事でも書きましたが、元相方は京都大学経済学部卒というハイスペックの高学歴。
そして、電通や大手企業からの入社スカウトを蹴ってお笑い界へ飛び込んだという変わり者です。
なつい
元相方が、お笑い芸人になろうと思ったきっかけ
どうして大手企業へ入社せず、芸人になろうと思ったの?
元相方:「お笑いが好きやから」っていうのは大前提の話なんやけど、それ以上にスーツを毎日着て仕事をしたくなかったからかな。
なつい
元相方:言い方が悪いけど、「スーツ&ネクタイ=社畜の象徴」みたいな感じがして嫌やったんよね。
あと、うちの家はオヤジが“仕事 ×10”の超マジメ人間で、オカンは毎日家に友達を集めてタコ焼きパーティーを開催しているような人なんよ。
たぶん、オカンの影響が大きかったのかも。オカンみたいに、みんなでワイワイすることを仕事にしたいと思ったときに、消去法でたどり着いたのが小さい頃から好きだったお笑い芸人やったわけ。
大手企業を断って芸人を目指すことに不安はなかったの?
元相方:不安はまったくなかったね。むしろすぐに売れると思ってたから。
なつい
元相方:自信があったのは、大学時代のサークル活動で色々やってテレビ局や広告代理店の人から声をかけてもらって、すでに社会人と仕事をしていた経験と実績があったからかな。
なつい
元相方:何個か挙げるとこんな感じ。
- イベントパーティーで、20回連続2,500人の集客を達成(チケット料金:男性7,777円、女性5,555円)
- 住んでいたマンションの4階からみんなで流しそうめん
- 2トン以上の巨大プリン作り
- 100人50台ヒッチハイク
元相方:他の人がやらない楽しいことを、真っ先にやってとにかく目立つ。
これをコンセプトにやってたら、大手企業さんからたくさん声をかけてもらったんよね。
もしかしたら、お笑い業界へ飛び込んで目立つことをすれば、色んなところから声をかけてもらってテレビに出まくれるんちゃうかと。そんな自信だけはあったわ。
なつい
お笑いを始める前と始めてから感じたギャップ
![お笑い芸人になってから感じたギャップ](/wp-content/uploads/2018/01/comedy-gap-603x452.jpg)
自信の塊から始めた芸人生活やけど、活動を始めてから感じたギャップはある?
元相方:お笑いの集客と、ビジネスの集客は全然違うと感じたことかな。さっき大学時代にサークルのイベントで、20回連続2,500人を動員させたって言ったよね。
お笑いを始めるまでは、1人5,000円以上のチケット代を払ってくれる人を、難なく集めることができた。
でも、お笑いの世界に飛び込んだら、1人500円のチケットをまったく売ることができなかった。
芸人になるまでは、1枚500円のチケットを売ることが難しいなんて思いもしてなかったから、始めはかなりギャップを感じたね。
なつい
元相方:メディアに出るのって、思っていたより時間がかかるし大変だ〜ってことくらいかな。
当時は相方(なつい)に対してこんなことを思っていた
![元相方がなついに思っていたこと](/wp-content/uploads/2018/01/partner-thought-603x452.jpg)
相方のこんなところが凄かった
どんなところが凄いと思っていたの?
元相方:今まで言ったことがなかったけど、パッと思いつくんは3つかな。
なつい
元相方:頭の切り替えが早くて、度胸があるところ。印象的やったんが、「コンビを組もう」って話になって組んだ瞬間に、敬語からタメ口に変わったこと。
俺の方が年上だったっていうのもあるけど、急に「お前さ〜」って言われたのにはビックリしたわ。
あとは養成所時代から、テレビに出てる有名人や先輩芸人と仕事で一緒になったとき、楽屋に乗り込んで図々しいくらい絡んでいたよね。
ライブのMC(司会)とかでも、先輩芸人にバンバンつっこんでたし。
度胸がないとなかなかできへんことやし、凄いと思ってた。
なつい
元相方:とにかくファンが多かったことかな。ファンの顔と名前は1回会っただけで覚えるし、ライブのチケットもバンバン売ってた。イケメンでも何でもないのに、「なんでこんなにファンが多いの?」凄いなーと思ってた。
なつい
元相方:美肌にこだわりすぎているところw養成所時代から、外でネタ合わせをするときには必ず日焼け止めを塗っていたよね。
あと、「今日はニキビができてお客さんに合わせる顔がないから、マスクを付けて舞台に出る」とか言われた記憶もある。
自分だけの専門分野を芸人時代からもってて、仕事に繋げてたんも凄いなーと思ってた。
相方(なつい)のここが不満だった
不満に思っていたことはある?
元相方:時間にうるさすぎるところかな。
なつい
元相方:うるさかったね。
ネタ合わせの待ち合わせ時間に5分遅れただけでも、「なんで遅れると思った時点で連絡入れへんねん!」「電車遅延なんて言い訳やん」「今すぐワープしてこい」と、5分の遅刻に対して30分以上怒られたりしたこともあったし。
『俺いちおう年上やで!』と不満に思う瞬間が多々あったわ。
なつい
相方(なつい)には、当時こんな風に動いてほしかった
もっとこんな風に動いてほしかったってことある?
元相方:ビジネスパートナーとして、分業を徹底してお笑い活動をしたかったかな。
なつい
元相方:たとえばコンビ活動5年目あたりから、ネタ番組に出演するために、漫才から画用紙ネタにスタイル変更したよね。
画用紙ネタはイラスト描きから、色塗りを全部こっちがやっていた。これがかなり大変やったんよね。
なつい
元相方:1番大変だと感じていたのが、エンタの神様のオーディション用に毎週20枚のイラストを描いて、色塗りしてたとき。
今やから言えるけど、イラスト1枚を仕上げるのに、4時間くらいかかっていた。その上、生活費を稼ぐための仕事をしなければいけない。
イラスト描きと色塗りに集中するために、そっちは一定期間でいいから収益作りに集中して、働かなくてもお金に困らない状態を作ってほしいと思ってた。
あのとき、「こういう事情やからこうしてくれ」って言えればよかったけどね。当時は俺も若くてプライドがあったから、意地になって言わずに、睡眠時間削りまくって画用紙ネタを作ってたわ。
芸人生活で1番嬉しかったこと
![芸人時代で1番嬉しかったことを告白](/wp-content/uploads/2018/01/artiste-life-happy-603x452.jpg)
芸人時代で1番嬉しかったことは?
元相方:常にお客さんがパンパンに入っているお笑いライブを、東京・大阪エリアを併せて、300回以上自己主催で続けてこれたことかな。
「毎回満員のお客さんが入っているお笑いライブ」と、色んな事務所のマネージャーへ噂が広まり、こっちから有名芸人の出演オファー連絡を入れなくても、事務所側から「今メディアに出ている芸人を、ライブに出させてもらえませんか?」と提案が入るようになった。
他にも、バラエティ番組の制作会社から、カメラが入るお笑いライブとして定着したこと。これらは自分のなかで1番嬉しかったことかな。
芸人生活で1番辛かったこと
![芸人時代で1番辛かったことを激白](/wp-content/uploads/2018/01/artiste-life-sad-603x452.jpg)
芸人時代で1番辛かったことは?
元相方:芸人でありながら、芸人としての光が得られなかったこと。
自分たちコンビのキャラやネタより、ライブ主催者・イベンターとしての実績の方が目立っていたから、どうしても裏方さんに見られることが多かった。
あと、当時は芸人がライブを主催することが珍しかったから、ライブ出演者からノルマ費用を回収して運営するだけでも、芸人仲間や先輩芸人から白い目で見られていたよね。正直辛かったよ。
なつい
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「お笑い芸人を辞める」と決断した瞬間について
![芸人を辞めようと思った瞬間](/wp-content/uploads/2018/01/artiste-timing-603x452.jpg)
芸人を辞めると決断した瞬間について聞かせて?
元相方:コンビで活動を始めて4年目のときに、うちの弟が加わってトリオになったやん。
2人組から3人組になったことで、ネタのスタイルやキャラの見せ方っていう幅が増えて、メディアにも呼ばれるようになってきた。
でも、活動7年目で事務所を移籍した途端、なぜかなついだけ、移籍先の事務所社長に嫌われて仕事をまわしてくれなくなったやんw
なつい
元相方:で、うちと弟がコンビとして、社長から仕事をふられるようになって、気がついたらなついが脱退して消息不明になった。
なつい
元相方:なついが脱退して弟と2人になってからも、お笑い活動を続けてたんやけど、ある日事務所の社長から「お前らはコンビ名が悪いから売れないのかもしれない!いくつか俺が候補を出すから好きなコンビ名を選べ」と言われた。
提案された『新コンビ名の候補』
- 社長副社長|(元相方が会社を設立して社長を、元相方の弟が副社長をしていたことから)
- 会社潰す建てる| (元相方が過去に会社を1つ潰してすぐに会社を建てたことから)
- 受験受かるすべる|(元相方が大学受験に受かって、弟は受験にすべって1浪したことから)
なつい
元相方:『会社潰す建てる』にしたよ(なぜかここでも、すしざんまいのポーズ)
で、お笑いの大きな大会に「会社潰す建てる」の名前で社長がエントリーをしてたから出たわけよ。
大会当日、自分らの出番前に司会者が「続いては、会社潰す建てるのネタです!どーぞー!」って言った瞬間に会場で大爆笑が起こった!
けど、自分らが舞台に出てネタを披露するも、ネタの中身はコンビ名に絡んだ会社の話とかではなく、めちゃめちゃシュールなやつ。まったくウケなかったよね。
この瞬間に辞めようと思って、弟と一緒にお笑いを辞めた。
現在の生活について
![芸人引退後の生活について](/wp-content/uploads/2018/01/life-603x452.jpg)
芸人を辞めて、今はどんな仕事をしてるの?
元相方:放送作家として番組提案を出したり、学生のネットワークを使って、ミスコンやフェスイベントなんかをやってるよ。
他にも、早稲田大学で、仮想通貨や株サークル(JumpingPoint!!)の顧問、企業さんにコンサルとして入らせてもらったりしてる。
なつい
こんなお仕事の依頼をお待ちしております
![元相方に芸人時代についてインタビューをした](/wp-content/uploads/2018/01/comedian-partner-listen-603x452.jpg)
なつい
元相方:そうやね、せっかくやからまた2人でメディア絡みの仕事ができたらええね。
なつい
元相方:AbemaさんであったりCSさんであったり、ラジオであったり、なついと2人でメディアを任せてくれる方がいたら、ぜひ声をかけてほしいです。
出演だけじゃなく、企画から構成もガッツリやります。
>> お問い合わせメール
おわりに
コンビやユニットの解散と同時に、パートナーと疎遠になる芸人は多くいます。
しかし私の場合は、解散後一時期は連絡を取っていなかったものの、今でもたまに一緒に仕事をしているパートナーです。
今回のインタビューで、これまでに聞けなかった本心を聞けたほか、また一緒にメディア制作や出演をすることになりました。
なつい
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